どれくらい練習していたのだろうか、心地好い汗と疲労感。

セイは竹刀を置いて冷たい床に寝転んだ。

(・・・気持ち良い)

ゆっくりと目を閉じた。

 

カタン

 

扉が開く音がして、セイは入口を見やる。

入ってきたのは沖田だった。

「ここにいましたか。探しましたよー」

ニコニコと笑いながらやってくる。

「どうされました?」

沖田が何だか落ち着かない様子なので問うと、

後ろ手に持っていた花はついていない葉桜の枝をセイに差し出した。

(・・・手紙?)

枝にくくりつけられているのを見つけて開いてみる。

 

          ひと           ももくさ     
『 この花の  一よの内に  百種の

                               
言そ隠れる  おほろかにすな 』

 

『 世界中の愛の言葉をこめて  ひとひらの桜を君におくる

どうか大切にして欲しい  

世界中の愛の言葉をこめて  ひとひらの桜を君におくる 』

 

 

「沖田せんせ、これって・・・」

「神谷さん、最近和歌がお好きみたいだから、お里さんにお借りして勉強したんですよ」

照れくさそうに頭をかいた。

桜の下で出会った幼い頃の自分達。

兄上のことばかりで思い出したのは最近だけど、

自分と同じ泣き虫のお兄ちゃん

優しかったのを覚えている。

大切な想い出。

「嬉しい・・」

セイは嬉しくて、手紙を抱きしめた。

「愛してますよ。おセイさん」

セイをきゅっと抱き締める。

「わ、私もです」

腕を回して珍しくセイも正直に応えた。

セイの視界に影が差す。

セイが体を強ばらせたときだった。

 

 

「ばっ、ばかっ、押すなよっっ」

バタンッッ

思い切り扉が稽古場に倒れてきた。

のっかっているのは原田・永倉を始め隊士十数人。

 

「なっ、なっ、な〜っっ!!」

ニヤニヤとこちらを見る隊士達に、セイは自分と沖田の状態に真っ赤になって

勢いよく沖田の体をひっぺがした。

「離しませんよv」

沖田が引き戻す。

思いもよらない沖田の行動にセイを始め、隊士達も目を見開いた。

一瞬の沈黙の後、皆の冷やかしの声。

本気で引きはがそうともがくセイに、ちょっと意地になる沖田。

その様子にまたも爆笑の渦。

「や、やめてください〜〜っっ」

セイはバッチーンと大きな音を立てて沖田の頬をたたいた。

「総司、かわいそうになぁ」

同情しながらも、大笑いの原田。

みんなの笑い声。

「知りませんっ」

真っ赤になってフンッとそっぽを向くセイ。

 

でも、口では悪態をつきながらも、セイが沖田を見るときの瞳が

その気持ちを物語っていることを隊士達は知っている。

あの満月の決闘から、潔く身をひいたのはそれがよくわかったからだ。

くやしいけれど、面白がって冷やかしたりしかできないけれど、

不器用な二人に関わりながら行く末を見守りたいと思う隊士達だった。

 

 

藍華様、大変お待たせいたしました><
しかも長いですね^^;;

『公認の仲のセイちゃん&総ちゃんのお話』

こんなんできました〜。
生ぬるくてすみません(T▽T)
作った本人が恥ずかしがってどうするって感じですよね^^;;

もらってやってくださいませー。
すばらしいリクエスト、ありがとうございました^^
また、よろしくおねがいします☆☆

2003.08.22 空子

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