はじまり

 

「がんばるなー、神谷♪

オレ様から一本取れたら何でも言うこと聞いてやるぞ♪」

大きく肩で息をするセイの前で原田は余裕な顔でセイを見下ろしている。

「まだまだぁっ!」

セイは気合いと共に向かっていった。

 

 

文武館。

体術の稽古中。

いつもは力の差のことなども考えて

同じ背格好の隊士に相手をしてもらうのだけど、

今回は土方に言われて、体格も力も正反対の原田を相手にすることになった。

同じ背格好の相手なら、何とかではあるけど渡り合えるものが、

原田相手だとまったく歯が立たない。

(くっそ〜っ!)

はじき飛ばされ、足を払われ、満身創痍。

「おらっ、真っ直ぐにくるだけじゃ、俺には勝てねぇぞ」

 

(あ・・・、沖田先生にも言われたっけ)

 

原田を見据えて呼吸を整えた。

 

(自分らしい闘い方・・・)

 

思った瞬間肩の力が抜けた気がした。

原田がセイを掴まえようと大きく向かってきたところで

側面へと回り込み、死角になるところから

思い切り顎目掛けて手のひらを打ち上げて、

よろめいたところへ足をかける。

 

バタンッ

 

大きな音を立てて原田が倒れた。

勢いづいてセイも倒れ込む。

周りから歓声がおこる。

「って〜」

原田が頭を押さえて体を起こした。

「も、申し訳ありませんっ」

慌てて原田からどこうとするセイを原田が制した。

「役得役得♪」

一回り以上小さいセイの体を抱き締めた。

突然のことにされるがままになっていたけれど、

ハタと気づき、

「やっ、やめてくださいっ」

バタバタと暴れる。

「つれねぇなぁ」

思いっきり突っぱねたので、原田はおとなしく引き下がった。

「それより、原田さん」

セイはニヤリと意地の悪そうな笑みを向けた。

「な、なんだよ?」

「何でも言うこと聞いてくれるんですよね?」

「あ?」

「武士に二言はありませんよね?」

ずいずいっと顔を寄せられて、

その可愛らしい唇に原田は思わず唇を寄せてしまった。

軽く触れる唇。

「!?」

セイは真っ赤になって飛び退いて唇を押さえる。

原田も自分の行動に驚いて固まってしまった。

まわりの隊士も思わず立ち尽くしていたが、

誰かがコホンと咳払いをしたのをきっかけに稽古に戻っていった。

 

 

「ほんっとーに、スマンッ!なんでもするから、な?」

呆然としているセイに大慌てで原田は場を取り繕うとした。

「・・・・」

セイが下を向いてポソリと呟いた。

「は?」

声が小さくて聞き取れなかったので聞き返す。

セイは原田の耳に唇を寄せると小さく囁いた。

聞いた原田は、思わず真っ赤になって聞き返す。

「神谷、もう一回!!」

原田の目尻がだらしなく下がっている。

セイは大きく息を吸うと、もう一度原田の耳元に顔を寄せた。

原田がドキドキしながら待っていると・・・、

「わっ!」

セイが原田の耳を引っ張り大声で叫んだ。

「ひ、ひでぇ」

原田は耳を押さえてひっくり返る。

セイは笑って立上がり原田に手を差し延べた。





セイちゃん、原田さんになんて囁いたのでしょう?
ご想像にお任せします^^;

こんな感じになりましたけど、どうでしょう・・・?
相変わらずぬるいですね(T▽T)

こんなんですが、もらってやってくださいまし><

リクエスト、ありがとうございました^^
これからも、よろしくおねがいしますー^^

2003.09.11 空子

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