「神谷は肩揉みがうまい」

そんな噂があった。


肩揉み


「えぇ?!なんでそんな話になるんですか?」

突然斎藤に言われてセイが顔を上げた。

「永倉さんがふれ回っていたぞ」

「え?あ、そういえば・・・」

以前肩に手を当てコキコキと首を鳴らせていた永倉に声を掛けたことがあった。

昔、父や兄の負担を軽くしようと自分ができることを考えたとき幼心に思い付いたこと。

それが肩揉みだったのだ。

日々の疲れを一時でも忘れてもらおうと申し出たのだった。

「斎藤先生もいかがですか?これでも父には好評だったんですよ」

言いながら腕を捲り上げて腕を叩いた。

その腕の白いこと、細いこと・・。

実は最近肩に張りを感じていたので、お願いしようと思って声を掛けたのだけど・・・、

「・・・遠慮しておく」

ドッキュン。

それどころではなくなった。

「まあまあ。そう言わずに。」

「おい、神谷」

背中を押されて縁側へ。

「チカラ抜いていてくださいね」

「おい、かみやっっ」

セイの小さな手が肩に掛かった。

 





「・・はい。おしまいです」

「・・・軽くなったような気がする」

軽く腕を振ってみると随分軽くなったと感じた。

セイの小さな体からは想像もつかない力強さと、

幼い頃からの積み重ねなのか的を得た指圧に大満足で永倉が触れ回っていたのも頷けた。

「それは良かったです」

ニッコリと笑うセイに斎藤はさらにドッキュンだった。

 




その様子はたちまち屯所内に広まり、

今やセイはせっかくの隊務明けの午後をつぶしてしまう勢いで隊士達の要望に応えている。


「は〜」


やっと一段落してセイが肩で息を吐いた。

何だかこちらまで肩が凝りそうだ。

くるくると首を回す。


「ごくろうさまです」


頭上からの声に顔を上げると沖田が立っていた。

「いえー。あ、沖田先生もいかがですか?」

「ああ、私は良いですよ〜。それより神谷さんですかね」

立ち上がろうとするセイを制して沖田が言った。

「お、沖田先生?」

「任せてくださいよ」

沖田の手が肩に触れるのが分かる。

「神谷さん、力入り過ぎ」

クスクスと静かな笑い声と共に、一度サラリと撫でられる。



(ムリッ!絶対にムリッ!!)



緊張して仕方がない。

「はいはい、力抜いてくださいね〜」

沖田の手に力が入ったのを感じた瞬間だった・・・・。



「いって〜っっ!!」



セイの男らしい大絶叫が屯所内を響き渡ったのだった。


 

「肩こり」ありますか?
管理人はあるような、ないような・・・・^^;
でも肩もみしてもらうのは好きです。
セイちゃんは上手そうv
総ちゃんは加減とかできなさそうΣ(゜ロ゜;
それでも触れられて少しだけドキドキしてもらいました(*^∇^*)
みんながドキドキ・・・。

2005.06.02 空子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★おまけ★



「神谷の肩壊しそうになったんだって?」
藤堂が総司を見るなり笑う。
「そんなことないですよ〜」
(ちょっと加減が分からなかっただけじゃないですか)
皆に口々に言われ沖田が膨れた。
「神谷さんもなんとか言ってくださいよ」
「沖田先生にはぜ〜ったいに頼みません」
ふんっと視線をそらせた。
ふいに土方と目があう。
「・・・総司。俺に寄るなよ」
「・・・土方さんひどい。近藤せんせ〜」
沖田が近藤に救いを求めた。
「トシ・・」
「フンッ」
たしなめるような視線を向けるが土方は腕組したまま眉根を寄せる。


「近藤先生はいかがですか?」

目を輝かせた沖田に近藤の一言。
一瞬周りが二人に釘付けになった。

「いや、肩こりないし・・・な?」

「え〜。そうですかぁ?」

遠慮しなくても良いのにと言う沖田に近藤が苦笑い。
周りの忍び笑いに気づかないのは沖田一人だったという。

 

おしまい

 


 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送