風を道標に


この春、彼の人は風になりました・・・。
『風になりたい』
あなたがそう口にする度、私の心は悲鳴をあげていました。

風の存在を知らせる野の草になろうと決めたその時、
私は強くなれた気がします。

でも、風を失った今、自身で揺れることもままならず、
自身の存在の意味をもわからなくなりました・・・。
「沖田先生・・・」
まだ、あなたの気配が残る部屋の中、涙があふれて止まらない。

後を追うことを考えていたけれど、
あなたがそれを許さない。
「・・・センセっ、どうしたら・・っ」
開け放たれた縁側から、ざぁと強い風が吹き込んできた。
『あなた、綿帽子みたいですよね♪』
柔らかくて、優しくて
風に乗ってさらに新しい場所へと移っていく。
私は、風のようにあなたを新しいあなたへと導くお手伝いをしたいです♪
笑顔で言った彼の顔がよみがえる。
 
「沖田センセイ・・?」



風に抱かれた気持ちがした。
彼の人が、自分の近くにいてくれている。
セイはぐいと涙を拭い強い瞳でほほ笑んだ。
「沖田先生、私みんなの所へ行きます」
顔を上げ、空を見つめると、
またふうわりと自分を包み込む風を感じた。
大丈夫。
沖田先生は、いつでもそばにいてくださる。
沖田の残した刀の下げ緒を
お守り代わりに下げ、
風に押されるように、セイは旅立った。
 
沖田先生がいなくなった時、
セイちゃんは最後まで新選組隊士いることを決意する気がします・・・。
ホントは、女の子として添わせてあげたい・・・。
風光る本編期待です^^
2003.06.15 くうこ
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