恋歌

月に三日のお休みの日、

することもなくセイはのんびりと過ごしていた。

掃除でもするかなと箒を片手に部屋の隅にたったとき、

見慣れない本が視界に入った。

(なんだろう?)

『万葉集』

表紙を見るとそう書いてあった。

中をめくると和歌が読むのにちょうど良い間隔で綴られていた。

「おセイちゃん?掃除ならウチがするし」

慌ててお里が箒をとりあげた。

「お志津がもってきてくれたんよ。気にいったんなら読んでてね」

「うん」

セイはうなずき、本を持って縁側へと移動した。

しばらくパラパラめくっていると、とても気になる歌がでてきた。

 

『高き峰に 雲の着くのす われさへに

君につきなな 高嶺と思ひて』

山に寄り添う雲みたいに あなたのそばにいたい

あなたが山だったら私 雲になってくっついていたい

 

自分の沖田に対する気持ちに重なってしまい、少しせつなくなってしまった。

昔も今も、恋する気持ちはかわらないんだなと感じて、嬉しくなった。

微妙な位置にいるけれど、それでも幸せは感じられる。

いつ死ぬかもわからない毎日だけど、沖田の側で

せいいっぱい生きたいと思い心地好い風に瞳を閉じた。

○ジテレビで番組の間に放送されていた「恋ノウタ」大好きでした☆
万葉集を現代にアレンジしたものだったのですが、
よく心をわしづかみにされてました。

2003.06.27 空子

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