穏やかな時間
最近の山南みさんはおかしい。
何か悩みごとでもあるのかな…?
「山南さ〜ん」
声かけてみるけど返事はない。
縁側に腰掛けて、何をするでもなくボ〜ッとしている。
平助は目の前でヒラヒラと手を振ってみる。
「どうかした?平助?」
「べつにぃ」
ゴロリと横に寝そべる。
優しい手が頭をなでてくれた。
「へへ〜」
いつまでも子供扱いされてるみたいだけど、いやじゃない。
(山南さんのそばって落ち着くんだよね。)
そういえば、
原田さんたちが山南さんに好きな妓ができたっていってたっけ・・・。
その人のこと考えてるのかな・・・?
ふいに浮かんだあの人の顔。
おゆうちゃん、どうしてるかなあ?
明日は非番だから、会いに行こう♪
考えると口許が緩む。
「風がきもちいいなぁ」
山南が大きく息を吸い込み、
穏やかな空気に身を委ねていると、
ふいに隣から藤堂のスゥスゥという気持ちよさそうな寝息が聞こえた。
山南は池田屋事件の傷が痛々しい藤堂の額を
触れるか触れないかの距離でなでた。
「山南せんせーい」
パタパタとおつかいを終えたセイが駆け寄ってくる。
「あ…」
しぃと山南が人差し指を口に当ててセイを振り向いた。
藤堂を覗き込むと、無邪気な顔で気持ち良さそうに眠っている。
「か〜みやさ〜んっ」
沖田がセイをおいかけて廊下をパタパタやってきた。
山南とセイは二人して人差し指を口に当てた。
「沖田先生いきますよっ」
山南に一礼して引きずっていった。
チラリ縁側を振り返る。
そこには穏やかな空気が漂っていて、セイは思わずほほ笑んでいた。
山南先生と藤堂先生、親子みたいな雰囲気大好きです。
2003.06.15 空子
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