背 中



 
「神谷さーん。置いていきますよー」

木の葉も紅葉を始めた秋。

沖田は落ち葉を踏みしめながらセイの前を歩いていた。

 

(機嫌良さそうだな〜)

セイは前を歩く沖田の背中を眺め思った。

いつからだっただろうか。

前を歩くその背中に何となくだけどその時の感情が現れることに気がついた。

いつも後ろを追いかけているからかもしれない。

戦場へと赴く際の緊張感漂う頼もしい後ろ姿とは違って今はいつまでも眺めていたいと思ってしまう、

そんな背中。


 

(おもしろいなあ)




こちらまで後を追う足取りが軽くなっていく。



「うわっぷ」

 

突然沖田が止まったのでそのまま体当り。

「急に止まらないで下さいよ〜」

セイが鼻を押さえて抗議の声をあげた。

 

顔を上げると自分を見る沖田の視線。

 

「な、なんですか?」

 

覗き込んでくる沖田に慌てる。

 

「神谷さん、何か良いことでもありました?」

セイの顔をもう一度覗き込んで沖田が首を傾げながら言った。

「どうしてです?」

「いえ、なんとなくですけど・・・。違ったなら良いんです」

 

「・・・沖田先生も、何か良いことあったんですか?」

 

「え?そうですか??」

「えぇ。何となくですが・・・」

 

「「ぷっ」」

 

顔を見合わせて吹き出した。

「行きますか」

歩き出す沖田の背中を眺める。

広い背中。

今は・・・ちょっとだけだらしない、その背中。

 

「神谷さん?置いていきますよー」

 

クルリとふり向いて沖田がセイを呼ぶ。

「あ、はーい」

今日は天気も良くお散歩日和。

葛きりもおいしく頂けるだろう。

ただそれだけで楽しい気分になるのだった。

 

 

総司の背中。
いつもセイちゃんを守ってくれるその背中。
セイちゃんにとって色々な意味で大きいのでしょうね^^

たまには息抜きしてもらって、ちょっと力を抜いてもらおうかなと・・・。

2005.11.21 空子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送